劇団道化の「知覧・青春」を観に行った。
4月の国分公演以来、久しぶりに行った劇団道化の芝居。こども劇場主催ではあるものの、知覧=戦争ものということで「やや大人向け?」と思ったけど、とりえあず小学校2年生の長男と一緒に観に行った…が!
面白い!大人も子どもも面白い!うちの長男は最前列の真ん中で、げらげら笑ってた。そこ笑うシーンじゃないよ…というところでも笑ってたけど。
知覧といえば特攻。となればそれをタイトルに掲げる芝居ではどうしても、若者の死から生み出される「悲哀」がベースとなって、その”陰”が前面に出てしまいそうになる。もっと言えば暗い芝居になりがちだと思う。でもこの「知覧・青春」の描く「悲哀」はちょっと違った。それは若者の”死”から生まれる悲哀ではなく、若者の”生”が生み出す悲哀だ。同じ悲哀でも、その根もとが死なのか生なのかで、ぜんぜん芝居の雰囲気が変わってくる。あえて対比して言えば”陽”の雰囲気。でも決して軽薄な”陽”ではない。戦争というバックボーンを強要される陰鬱な時代で、自分の存在意義を賭けて全力で”陽”であろうとする、その若者の意志とエネルギーが生み出す、ド真剣な”陽”だ。この「知覧・青春」は、”陽”の悲哀で戦争と知覧を語る、とっても素晴らしい芝居だと思う。
12月は薩摩・大隅、1月は島の各地で公演があるので、たくさんの人に観て欲しいとつくづく思った。
あと、舞台セットの工夫も見所かも。こーんな簡素なセットで、こんなにも豊かに表現できるものなの?とビックリしたよ…。
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